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2005年01月29日
ねじれの位置ーライブと録音物の相克関係。みたいな。ー
昔、ライブアーティストとレコーディングアーティスト、という区切りで歌手を選別しようと思ったことがある。
CDを出す人が、レコーディングアーティスト。
ライブで最高のパフォーマンスを発揮する人、もしくは、ライブにおいてCDとは違う表現のできる人が、ライブアーティスト。
だいたいそんなような勝手な定義をしていた。
ついでに言えば、ライブアーティストの方が、俺の中では格上だった。
だから当時、テレビの音楽番組で、所在無げな姿で、貧弱なヴォーカルを晒していた歌手を、ケチョンケチョンにけなした記憶がある。
しかし、実際問題、録音機材も楽器も、ついでに録音技術もこれだけ発達してしまった現代において、CDと同じアプローチでCDを超える、純然たる音楽としてのパフォーマンスを見せるというのは、一部の例外(もともと生音中心のアレンジであるとか、根本的にベラボーな歌唱力の持ち主であるとか、そのような)を除いては、ほぼ不可能なほど水準の高い要求なのであろう。
ゆえに、ある意味で現代のCDというか、録音された音楽は、それをライブ(放送番組において利用することを目的とした、スタジオ生ライブ、あるいは、録画スタジオライブのようなものを含む)において完全に再現することを、そもそも目的としていないと考えた方が、たぶん現代の音楽のプロダクトの姿勢を読み解く上では正しい。
逆説的に言えば、だからこそライブパフォーマンスにおいては、CDとは別の価値を提示すべく、視覚に訴える方法論(衣装に始まって、照明、舞台装置、バックダンサー、etc.etc. ジャンルによってはルックスとかアーティスト自身のダンスとか。場合によってはそれらを完全に排除するというスタンスそのものとか)が高度化していくのだろう。
それでも。
CDを超える、純然たる音楽的クオリティ、てのも見たいんだよな。
わがままも、ここまで来ればもはや業かね。
投稿者 ushila : 2005年01月29日 01:41
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