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2008年08月22日

World's end wonderland(東京エスムジカ)


早川大地の「ひとりエスムジカ」または「東京エスムジカloves」(と俺が勝手に言っている)体制になって初のアルバム。

しかし、この人も大概「変態」(いい意味で)だよなあ、と思う。

民族楽器や民謡の歌唱をサンプリングしてこねくり回して、出来上がってくるのはわりと鋭利なクラブサウンドみたいなものだったりするあたり、この人にとって楽器の音も歌声も電子音も、基本的には同列の「素材」なんだという印象が、まず湧き上がる。
俺としても、間違いなく人間は楽器なんだとは思っているのだが、そこには「変な音がする」「特別な」という修飾語がつく。

このアルバムを聴いていると、それすらも「人間は特別なんだ」という幻想に基づくものだと思い知らされるかのような気がして頭がクラクラする。
でありながら、一方でいわゆる「歌モノ」になると、時に情緒的な、時にやさしく包み込むような「大地節」としか言い表し様のないメロディと言葉が展開される。

1曲目のタイトルチューン"World's end wonderland"と、ラストの"Too Many Wishes"の歌詞を並べて眺めると、そこには早川大地が思い描く「世界の果ての楽園」の風景が美しく描き出されているように思うのではある。
(ところで、「世界の果ての楽園」と言われて、反射的にニライカナイとガンダーラが思い浮かんだのだが、歌詞によると早川大地的には東にあるのだそうだ)

が、そこには何があって、誰が居るのだろうか?
その答えは、これからの彼の音楽が見せてくれるのだろう。

とまあ、そんな難しいこと考えなくても、本物の民謡歌手やら教授と天才アッコちゃんの娘(坂本美雨)やら連れてくるあたりの豪勢さを堪能するだけでも、このアルバムは十分楽しめると思うのだけど。

投稿者 ushila : 2008年08月22日 23:41

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