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2011年11月11日
IG(インフィニット・ガンランス)
突発モンハン学園バトル小説の続き。
俺を掴み上げた芦田は、今度は俺をブンブンと振り回しつつ、肩口と言わず、首筋と言わず、腕やら脇腹やらを嘗め上げ、噛みついて来た。
待て待て待て待てっ!!
お前口くせえし、触感が気持ち悪いし。
そして何より、この絵面はどこにニーズがあるんだっ!!
……。
……はっ!?
大体ニーズって何だ?
俺は我に返り、体をめくら滅法よじる。
足に何かを蹴飛ばした感触があり、俺は宙に放り投げられた。
そのままゴロゴロと地面を転がり、視界が歪む。
この感覚は記憶にある。脳が揺れると言うやつだ。
「がぁっ!!」
よろよろと立ち上がった俺に、芦田が雄叫びと共にハンマーを横殴りにする。
体が言うことを聞かず、ガードも回避も間に合わなかった俺は、横殴りをまともに食らって吹き飛ぶ。
そして、そのまま意識を失った。
なんだか荷車のようなものに乗せられ、大量の藍瑠にまとわり付かれて運ばれる夢を見た俺は、何やらテントのようなもののある場所で目を醒ました。
状況が把握できず、ばりばりと頭をかく。
あー。思い出してきた。
芦田にぶん殴られて気持ちよくなっちゃってたんじゃん。
で、芦田は俺を倒せばこの空間は消えるとか言っていたと思うんだが、なんで俺はまだここから出れてないんだ?
「ダンナさん!!」
そんな俺の思考をぶった切るように、聞きなれた声が響く。
ダダダダッ、と駆け寄ってきた藍瑠が、俺の目の前で急停止し、顔を覗き込むようにする。
「藍瑠、お前、何でここに?」
藍瑠は小首を傾げて答える。
「ダンナさんが藍瑠を置いて帰っちゃったから、追っかけてきたニャ」
追っかけてきたってお前。
ここ、何だかわかんない空間だぞ?
普通入れないだろ。生身で。俺も仕掛けはよくわかんないけど。
「で、ダンナさんはここでなにをしてるニャ?あと、その格好は何ニャ?」
いやまあ。
「実は俺もわかってない。
が、とにかく俺がアイツをぶっ倒せばここから出られるらしいんだが」
俺がぶっ倒されても、この不思議空間が消滅しなかった以上、芦田の言うことの信憑性はやや落ちてくるのだが。
それでも今はそれしか手がかりがない以上、やるしかなかった。
藍瑠はまた首をかしげる。
「アイツって誰ニャ?」
俺は思ったことを端的に口にする。
「……熊だ」
投稿者 ushila : 2011年11月11日 21:23
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