« 3.マンガ喫茶はどうするんだ | メイン | 著作権法改正がいろいろ騒がしいので »

2012年06月23日

2.書籍出版社の著作隣接権創設議論

ビジネス用語ですが、音楽出版者という契約上著作権を持っている企業があるので、便宜的に「書籍出版社」という言葉をいったん使います。以下普通に「出版社」で。
アメリカではMARVELみたいな「出版プロダクション」があって、出版プロダクションが立てた企画をシナリオライターが頭寄せ合って原作にして、漫画家が漫画にする、と言う分業制があったりもします。
だから同じ作品が、作家が代替わりしながら書き続けられたりします。
そういう意味では、ミッキーマウスとスパイダーマンは地続きって言うことでしょう。
一方、日本では漫画産業は基本的に「漫画家」や「漫画原作者」と、それを本にする「出版社」は別々の事業体です。契約関係としては「請負」に近いと言えると思います。

出版社に著作隣接権を与えることに反対する人たちは「出版社は漫画家に対して優越的な立場にいるので、これ以上権利を強化されたらたまらない」と言いますが、もしそんな契約関係を強いられているとすれば、それは著作権法の議論ではなく、一般法としての民法や独占禁止法の問題です。

投稿者 ushila : 2012年06月23日 01:08

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.torihan.com/mt/mt-tb.cgi/1312